失せ物、還る

こんばんわ
三連休の快晴に変なパワー付いたのか

労働力の約6割を

掃除と洗濯につぎ込みました。


一番キツかったのが、社宅周りの掃除当番。
全長30メートルの手すりと廊下、階段掃除でヘロヘロでした。


そんなヘロヘロ状態で、一人夕食を食らっていた24日の夕方
玄関のチャイム鳴った。
セールスか新聞勧誘かいとインターホンの受話器取ったら


「夜分遅くすいません、○○警察署のものですが
 自転車のことについてお伺い…」


以前住んでいた街の警察官さんがなんじゃら!?
と、焦ってドアを開けると、人の良さそうな警官さんがいた。
スーツ姿だったので、バッチ見せて


「6年前に盗難にあった自転車ですが、見つかりました」


…まるがに、0.5秒くらいポカーン
そして思い出してきた。
まるがには、関東に来てから二度自転車盗まれてます。
一度目は、結婚して間もなくダンナの知人から譲り受けた自転車に乗っていて自宅前で盗難。譲りうけた品だったので、防犯登録番号分からん買ったので泣き寝入りした。
で、新しく買い換えた。ワインレッドの。


それ、2ヶ月で盗まれた。


悔しくて哀しくて、防犯登録もしていたから交番に届けた。
その自転車が、発見されたという。


被疑者は二人、実際に盗んだ人と盗品と譲り受けて乗っていた人。送検中だという。
まるがに目を点にして聞いていた。というか…それが仕事とはいえ、寒い中私の引越し先まで出向いて丁寧に説明をする警官さんに、ただ感謝した。
そして、見つけた自転車を引き取るかどうかという話になった。


…引っ越してきた今の周辺は、凄い上り下り急坂の連続な土地なのである。
始めは頑張って自転車乗っていたけど土地に負け、もうここ一年自転車乗ってないのです。
なので、せっかく探し当ててくれたのに本当に申し訳ありませんと私が深くアタマを下げたら、警官の方も納得して頂きました。
被疑者も6年乗り回して、自転車も結構くたびれているとフォローもしてくれました。
もし私が引き取りたいと言ったら、警察署で運搬もしてくれたのですが、そこまで手間を掛けてもらったのに活用しない事も分かっているし、その手間を他のもっと大変な事件に使って欲しかったのです。
ですので「処分」という決定をしました。ごめんよ自転車。


でもって、必要な書類にサインして警官の方は帰って行きました。
お礼したいけど職業柄やってはいけないので、ただ、彼が玄関を出て行くまで深く頭を下げ続けました。


真面目に仕事する人たちに救いのある世の中でありますように。

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で、引き続き自転車盗まれた話。


独身時代、10年間仙台に住んでました。


その10年間のうち、自転車2回盗まれました
そして、2回とも返ってきました
同じ自転車が


ベタですが、自転車の色は緑色
すげえ気に入って買いました。

最初は買ってから1年足らずで盗られました。

余りに気に入っていたので、交番届けてからも自分で探しまくり、半分ノイローゼになったくらい。
替えの自転車を買いたいとも思いませんでした。


それから3年目、交番から連絡が来ました。
土手に打ち捨てられていた自転車を、婦警さんが探してくれたと派出所で説明され、深く礼を言ってまた緑自転車とのラブラブな日々が再会しました。


それからまた1年目
また、盗まれた。


なんだか気力も抜けて、盗難届けも出さず、もちろん替えを買う気にもならなくて投げやりになっていた翌年、自室のアパートのドアに、一枚のメモが入っていた。


「当店で6年前に購入した自転車を、見つけたという連絡が来ました
 お電話下さい」


自転車を買った店から、発見の連絡が来た。


購入した店はアパートのすぐ近くで、年配のご夫婦二人で経営している。
慌てて翌日店に出向き、事の次第にただ驚き
ただ、感謝した。


発見されたのは仙台の北側、自転車で行ったら1時間〜1時間半もかかる場所。
見つけた方は、自分の家の前にずっと放置されている自転車を見て、盗品ではないかと思い自転車に貼っている購入店のシールを見て、お店に連絡した。
お店のご夫婦は、6年前の伝票を一枚一枚調べて、私の住所に辿り着いた。
一度だけの客に、そこまでしてくれた。


しかも、自転車を引き取りに行くに当たって、お店の方で軽トラを用意してくれるという。
そしてご主人は、最後に少し厳しい口調で私に告げた。


「自転車見つけてくれた方ね、一生懸命この店を探してくれたんだ。だから引き取りに行くときは菓子折りの一つでも持っていってお礼するんだよ」


それはこちらも当然と考えていて、私は「はい」と頷きました。


とある休日、自転車を保護しているお宅に軽トラで向いました。
発見主のお宅はびっくりするくらいの庭の広い邸宅。
出迎えてくれたご主人は、背丈の高い70歳代くらいの方で元教師をしていたという。
すごくニコニコした表情で対応してくれて、件の自転車は邸内の物置の側にある、自宅の電燈の柱にぶっとい鎖と南京錠で繋がれていた。
ご主人は
「また盗まれるといけないからねぇ、しっかり繋いでおいたよ」
と、ニコニコしながら鍵を外してくれた。


菓子折りを渡して深く礼をすると、自転車を載せてお店に戻った。
お店のご夫婦にも菓子折りを渡したら「私たちはいいよ」と凄く恐縮されました。
古い伝票を調べて車まで出して下さったのにと、礼を渡しました。


2年ぶりの緑の自転車に乗って帰り道につきながら、泣いた。
人の真心に打たれて、ただ泣いた。


一人暮らしをして6年経ち、家族の感覚が薄れていた中


親みたいに接してくれた人達に、ただ感謝して泣けた。